道場長挨拶


万生館合氣道 横浜道場は、5月で創設から38年を迎えました。一般に、従来の武道は、相対的な相手を倒す闘争術として考えられてきましたが、合氣道開祖 植芝盛平翁は、各種の武道修行に加え、精神的にも、哲学、宗教等の門をくぐり、相手と和合する陰陽の結びの武道へと転換したのです。

合気道の精神

この『合氣道の精神』は、故万生館合氣道館長 砂泊諴秀先生が、開祖植芝盛平翁の教えのニュアンスを変えずに奉唱できる形に整えたものです。万生館の支部道場は、昭和55年頃からこの『合氣道の精神』を奉唱して、稽古に入るようにしています。

新型コロナウイルスの感染が拡散し2年が経ちますが、第一回目の緊急事態宣言が発せられた時のみ稽古を自粛しました。その後は、稽古で身体を動かす事が、体力の維持や免疫力の向上に繋がると思い、感染防止を行いながら稽古を続けております。幸いにして、これまで感染者は一人も出ておりません。

また、今、ロシアがウクライナに侵攻する惨劇をはじめ、国や人種、考え方の違いによる、差別、対立の問題が山積しています。微力ながら、合氣道の精神にのっとり、衝突、破壊から、人類が手を取り合って、和合していける世の中に代わるように、真の人づくりの一旦を担えれば良いなと存じます。このホームページをご覧になっておられる皆さまと共に、コロナ禍での自粛をしつつ、この大災難の先には、輝かしい未来が来ると願いながら、それぞれのお立場で、今のご自分の為すべきことを、一歩一歩進めましょう。

修行の心得
合氣道と一言で言っても開祖植芝盛平翁亡き後、腕力に任せたもの、格闘術を取り入れたもの、様々なスタイルの合氣道が存在しています。形はそれぞれ異なりますが元は一つ、合氣道開祖植芝盛平翁の教えであります。合氣道の教えの解釈はとても幅広く、広義なものから狭義のものまであり、修行する本人の捉え方取り組み方によって、崇高にもなり、極めて限られた小さなものにもなります。折角稽古をするのですから、より高みをめざし、自己完成の一助とする方がより良いものになると考えています。
またこのように合気道の元は同じなのですから、わが道場では万生館合氣道以外の道場の方も気軽に稽古に参加していただけます。

万生館独自の『呼吸力』
幸いにも万生館合氣道館長 砂泊諴秀先生は、開祖植芝盛平翁の教えを私たち弟子に繰り返し徹底的にご指導して下さいました。そのおかげでその植芝盛平翁の教えは、私達の心の中で大きな存在となっています。また開祖植芝盛平翁の合氣道の心を求めた結晶である『呼吸力』という宝ものがあります。この『呼吸力』は、合氣とは愛なり、戦わず相手と一体になることを実現する一つの方法であります。微力ながら多くの方々に、この『呼吸力』を伝えていくことが私の自己の使命であると思っております。

地域との連携
稽古以外の時間帯でも、この道場が地域の方々との結びの場となれれば幸いとも考えており、新たな催し物も企画していきたいと考えています。是非近隣の皆様方のお力添えを、何卒よろしくお願い申し上げます。

令和四年五月吉日
万生館合氣道横浜道場長 宇野司