道場長挨拶


万生館合氣道 横浜道場は、この5月で創設から40周年を迎えました。
一般に、従来の武道は、相対的な相手を倒す闘争術として考えられてきましたが、合氣道開祖 植芝盛平翁は、各種の武道修行に加え、精神的にも、哲学、宗教等の門をくぐり、相手と和合する陰陽の結びの武道へと転換したのです。

合気道の精神

この『合氣道の精神』は、開祖植芝盛平翁が昭和30年頃にラジオでのインタビューでお話しされた事を、万生館合氣道館長 砂泊諴秀先生がニュアンスを変えずに奉唱できる形に整えたものです。万生館の支部道場で、昭和55年頃からこの『合氣道の精神』を奉唱して、稽古に入るようにしています。

『合氣とは、愛なり、万有愛護の大精神 敵そのものを無くする絶対的自己完成の道』 などを60年以上も前に示されているのです。このように合氣道は、和合の道であります。これに反し、今の世界は、ロシアがウクライナに侵攻する惨劇をはじめ、国や人種、考え方の違いによる、差別、対立の問題が山積しています。
微力ながら、合氣道の精神に従って、衝突や破壊から、人類が手を取り合って和合していける世の中に代わるように、真の人づくりの一旦を担えれば幸いです。
合氣道の世界に、第一歩を踏み出しませんか。

修行の心得
合氣道と一言で言っても開祖植芝盛平翁亡き後、腕力に任せたもの、格闘術を取り入れたもの、様々なスタイルの合氣道が存在しています。形はそれぞれ異なりますが元は一つ、合氣道開祖植芝盛平翁の教えであります。合氣道の教えの解釈はとても幅広く、広義なものから狭義のものまであり、修行する本人の捉え方取り組み方によって、崇高にもなり、極めて限られた小さなものにもなります。折角稽古をするのですから、より高みをめざし、自己完成の一助とする方がより良いものになると考えています。
またこのように合気道の元は同じなのですから、わが道場では万生館合氣道以外の道場の方も気軽に稽古に参加していただけます。

万生館独自の『呼吸力』
幸いにも万生館合氣道館長 砂泊諴秀先生は、開祖植芝盛平翁の教えを私たち弟子に繰り返し徹底的にご指導して下さいました。そのおかげでその植芝盛平翁の教えは、私達の心の中で大きな存在となっています。また開祖植芝盛平翁の合氣道の心を求めた結晶である『呼吸力』という宝ものがあります。この『呼吸力』は、合氣とは愛なり、戦わず相手と一体になることを実現する一つの方法であります。微力ながら多くの方々に、この『呼吸力』を伝えていくことが私の自己の使命であると思っております。

地域との連携
稽古以外の時間帯でも、この道場が地域の方々との結びの場となれれば幸いとも考えており、新たな催し物も企画していきたいと考えています。是非近隣の皆様方のお力添えを、何卒よろしくお願い申し上げます。

令和六年六月吉日
万生館合氣道 横浜道場長 宇野司